2008.02.18 Mon
フォスター制度
シェルターのない他団体では保護活動の基盤となっている一時預かりのシステム。東京アークではすでに軌道に乗っており、いくつものフォスターファミリーのご協力をいただいていますが、大阪アークでは一部の方を除きほぼ皆無です。
大阪府能勢町にあるアーク本部には保護、飼育できる環境があり、常時500頭前後の動物がいます。スタッフは事務職やメンテナンスなども合わせて総勢30名弱。休みを交代に取りつつ、各担当に分かれてお仕事させていただいています。しかしながら、すべての動物のお世話がきちんと行き届いているかと問われれば、私達飼育担当スタッフは自信をもって“Yes”と答えることができません。
能勢の寒空の下でお世話を担当しているスタッフ間で度々出る言葉のひとつに、「大阪にも一時預かりのボランティアさんが欲しいなぁ」の一言があります。

ある日保護された仔犬4頭のケースです。
母犬は野良犬。仔犬達はその血を受け継いでいるため、人に対する警戒心が非常に強く、触られる事を極度に怖がります。このままでは里親さんに出しても人間社会で共生していく事は困難で、犬も里親さんも楽しく暮らすことはできないでしょう。今のうちに人に慣れさせ、社会化が必要なことは明らかです。
犬の躾でいつもアドバイスをくださるKENKEN CLUBの津田先生に相談し、細かいアドバイスをいただいたものの、担当スタッフはその他の仕事ですでにオーバーフロー状態。社会化のトレーニングまで手が回らないと嘆いていました。日々成長している今日一日一日が大切なのに、できていないことへの焦燥感と力不足による自己嫌悪に駆られる日々…。例えばこんな時に「一時預かりのボランティアさんが居たらなぁ…」って思う訳です。

一時預かりをしていただくのに特別な資格はいりませんが、アークの方針に従っていただける事、時間や金銭的な面で少なからず自己負担が発生することへのご理解が条件となり、面接や十分なアセスメントを行い、審査の上、お願いすることになります。
仔犬の預かりの場合は、その子の将来の性質の形成に大きく影響すること、抵抗力が弱く病気になりやすい事を考慮し、より慎重にならざるを得ません。主な条件としては、「留守番がない(少ない)」、「健康管理、治療、もしもの時の安楽死など、アークの方針に従える」、「診察や不妊手術、里親さんへの紹介等、必要時にアークやアークかかりつけの動物病院まで搬送できる」、よって、「車で1~1時間半以内に居住している」などです。
預かっている子に伝染病などの病気が見つかったり、仔犬の場合は成長過程で急に障害が現れる場合もあります。それらの場合、獣医師の診断を踏まえ、その子のQOLと将来性を精査し、安楽死を選択する場合もあります。生かすことが最善の選択でないケースもあるのです。将来の事なんて誰にもわからないのですから大変難しい判断ですが、アークの決定に従っていただけるご家庭でないと一時預かりはお願いできません。
どの子でも辛い安楽死。仔犬の安楽死の決断はさらにショックが大きく決断を下す私達も相当傷つきます。自分の家庭で預かった子がそういう状況になる可能性も覚悟しなければいけません。それだけの「強さ」が必要となります。私はアークのスタッフとして働きながら自宅で一時預かりをしていますが、その覚悟は持っているつもりです。

はぁー…、こんな重い事書いたら、一時預かりのお申し出なんてないかなぁ…。でも、大切な事だし、必要な事だし、保護できずに日々殺処分されている命の事を思うと伝えないわけにはいきません。
シビアな現実もある反面、それにも増して、里親さんが見つかった時の喜びは言葉にできない程で、やり甲斐と充実感のある役目です。預かった子を幸せにできるだけではなく、飼い主さんとなる方も幸せにできるし、家族というか、親戚が増えていくような、幸せの輪がどんどん広がっていき、自分も幸せを感じられる、フォスター制度はそんなとても素敵なシステムなのです。
人にも犬にもフレンドリーで問題も何もない、すぐに里親さんが見つかりそうな子が、アークに場所がないばかりに引き取れないケースは度々あります。フォスター制度があれば、それらの命も救えるのです。それぞれのご家庭によって預かれる動物の条件をはっきりさせれば、どなたでもできるボランティアです。個人的には、定年退職を迎えたアクティブシニアの、「一生飼い続ける事は難しいが今は時間がたっぷりある」といったご家庭など、理想的ではないかと思っています。
大阪アークではほとんど未経験なフォスター制度。今はまだ手探りの状態だし、クリアしなければならないハードルは多々ありますが、今後、軌道に乗せていきたいシステムです。
≫≫≫お知らせ≪≪≪
2月24日(日)、グリーンドッグ里親会にリースも参加します!
その他、参加予定→ウォンバット、ノンちゃん、トトロ
(動物の体調やその他の都合により変更になる場合があります。)
詳細はコチラ☆
大阪府能勢町にあるアーク本部には保護、飼育できる環境があり、常時500頭前後の動物がいます。スタッフは事務職やメンテナンスなども合わせて総勢30名弱。休みを交代に取りつつ、各担当に分かれてお仕事させていただいています。しかしながら、すべての動物のお世話がきちんと行き届いているかと問われれば、私達飼育担当スタッフは自信をもって“Yes”と答えることができません。
能勢の寒空の下でお世話を担当しているスタッフ間で度々出る言葉のひとつに、「大阪にも一時預かりのボランティアさんが欲しいなぁ」の一言があります。

ある日保護された仔犬4頭のケースです。
母犬は野良犬。仔犬達はその血を受け継いでいるため、人に対する警戒心が非常に強く、触られる事を極度に怖がります。このままでは里親さんに出しても人間社会で共生していく事は困難で、犬も里親さんも楽しく暮らすことはできないでしょう。今のうちに人に慣れさせ、社会化が必要なことは明らかです。
犬の躾でいつもアドバイスをくださるKENKEN CLUBの津田先生に相談し、細かいアドバイスをいただいたものの、担当スタッフはその他の仕事ですでにオーバーフロー状態。社会化のトレーニングまで手が回らないと嘆いていました。日々成長している今日一日一日が大切なのに、できていないことへの焦燥感と力不足による自己嫌悪に駆られる日々…。例えばこんな時に「一時預かりのボランティアさんが居たらなぁ…」って思う訳です。

一時預かりをしていただくのに特別な資格はいりませんが、アークの方針に従っていただける事、時間や金銭的な面で少なからず自己負担が発生することへのご理解が条件となり、面接や十分なアセスメントを行い、審査の上、お願いすることになります。
仔犬の預かりの場合は、その子の将来の性質の形成に大きく影響すること、抵抗力が弱く病気になりやすい事を考慮し、より慎重にならざるを得ません。主な条件としては、「留守番がない(少ない)」、「健康管理、治療、もしもの時の安楽死など、アークの方針に従える」、「診察や不妊手術、里親さんへの紹介等、必要時にアークやアークかかりつけの動物病院まで搬送できる」、よって、「車で1~1時間半以内に居住している」などです。
預かっている子に伝染病などの病気が見つかったり、仔犬の場合は成長過程で急に障害が現れる場合もあります。それらの場合、獣医師の診断を踏まえ、その子のQOLと将来性を精査し、安楽死を選択する場合もあります。生かすことが最善の選択でないケースもあるのです。将来の事なんて誰にもわからないのですから大変難しい判断ですが、アークの決定に従っていただけるご家庭でないと一時預かりはお願いできません。
どの子でも辛い安楽死。仔犬の安楽死の決断はさらにショックが大きく決断を下す私達も相当傷つきます。自分の家庭で預かった子がそういう状況になる可能性も覚悟しなければいけません。それだけの「強さ」が必要となります。私はアークのスタッフとして働きながら自宅で一時預かりをしていますが、その覚悟は持っているつもりです。

はぁー…、こんな重い事書いたら、一時預かりのお申し出なんてないかなぁ…。でも、大切な事だし、必要な事だし、保護できずに日々殺処分されている命の事を思うと伝えないわけにはいきません。
シビアな現実もある反面、それにも増して、里親さんが見つかった時の喜びは言葉にできない程で、やり甲斐と充実感のある役目です。預かった子を幸せにできるだけではなく、飼い主さんとなる方も幸せにできるし、家族というか、親戚が増えていくような、幸せの輪がどんどん広がっていき、自分も幸せを感じられる、フォスター制度はそんなとても素敵なシステムなのです。
人にも犬にもフレンドリーで問題も何もない、すぐに里親さんが見つかりそうな子が、アークに場所がないばかりに引き取れないケースは度々あります。フォスター制度があれば、それらの命も救えるのです。それぞれのご家庭によって預かれる動物の条件をはっきりさせれば、どなたでもできるボランティアです。個人的には、定年退職を迎えたアクティブシニアの、「一生飼い続ける事は難しいが今は時間がたっぷりある」といったご家庭など、理想的ではないかと思っています。
大阪アークではほとんど未経験なフォスター制度。今はまだ手探りの状態だし、クリアしなければならないハードルは多々ありますが、今後、軌道に乗せていきたいシステムです。
≫≫≫お知らせ≪≪≪
2月24日(日)、グリーンドッグ里親会にリースも参加します!
その他、参加予定→ウォンバット、ノンちゃん、トトロ
(動物の体調やその他の都合により変更になる場合があります。)
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