2010.04.19 Mon
おこげ君の“個性”

おこげ君の飼主さんは、一人暮らしの身寄りのないお年寄り。
病気のため施設に入所することになりました。
住まいも引き払うことになり、残されたおこげ君のことをアークに相談してきたのは、おじいさんが入院前から介護をしていた支援センターの方でした。

おこげ君は「人見知り」なんて言葉とは全く無縁な、甘えん坊で、穏やかで、落ち着いた、ちょっとオモロイ、普通のオッサン猫です。
ただ、時に“頭が傾く”こと以外は。
相談者のお話では、その方が知る限り、少なくとも6年前からずっとそうだったそうで、特に今まで問題なく過ごしてきたようでした。

獣医さんの診断は、「前庭性失調症候群(vestibular syndrome)」
耳の内部にある前庭という平衡器官やバランスを保つ器官になんらかの異常があって起こる病気です。
おこげ君の場合、原因は不明ですが、症状は飼主さんの元にいた頃から特に治療もせず安定しているし、前庭障害の症状としては、斜頸(頭の傾き)と眼振(目のふるえ)だけで、運動失調や旋回運動は少なく、嘔吐は滅多にありません。
これから改善する可能性は低いものの、悪化する可能性も低いとのことです。
その他の健康面は、特に問題はありません。


ねこじゃらしやおもちゃでも普通に遊ぶし、頭が傾いたままでも上手に歩けるんです。
猫パンチだって、なかなかどうして、いいキレしています!

獣医さんはさらに言います。
「おこげ君自身はそんな病気なんておかまいなく普通の猫らしく生きている。“障害がある”と見なすのは人間の偏見で、それを理解できる人は絶対にいる。彼は良い家族の一員になれる猫だ。」
4月25日(日)のグリーンドッグでの里親会にも参加します。
アークの新しい仲間に加わった獣医さんもおこげ君の為に参加してくれますので、彼の病気について直接お答えできます。
みなさん、是非おこげ君に会いに来て、彼の持つ障害も個性のひとつであることを実感してください!
| 猫 | 13:07 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑
おこげ君?
おー、なるほど「おこげ君」や。
顔のあたりのグラデーションが、えぇ感じ。
撫でてみたいわぁ。
| HS | 2010/04/24 01:23 | URL | ≫ EDIT