2008.06.03 Tue
3本足のぶーにゃん

最近のアークは、空前の子猫ラッシュ。アーククリニックはまるで子猫屋敷です。本来の医療業務に手が回らない日々が続いています。
毎年この時期は子猫の引き取り相談が相次ぎます。しかし、すべてを引き取ることは不可能で、相談者にはアドバイスをさせていただき、個々に対応してもらわざるを得ない状況が続いています。その中でも、一番困るのは、『餌をやっていたら居ついて子猫を生んだ。かわいそうだから助けて欲しい。』といったようなケース。本当にその猫達を何とかしたいなら、地域猫として近隣の方達と協力しあい面倒をみるか、自分の飼い猫として家の中で世話をすべきです。もちろん不妊手術をして。そこまで責任を持てないなら餌をあげてはいけません。不妊手術もしないでただ餌をやるだけ。それは不幸な命を増やすだけで偽善です。

多数の相談の中で、どうしても引き取らざるを得ないケースも出てくるわけですが、そのうちの1頭がぶーにゃんです。ぶーにゃんはテニスコートでネットに絡まっているところを保護されました。一命は取り留めたものの、後足は骨折していました。

成長期の子猫なので、ギプスなどで固定せず、狭い場所でできるだけ動きを少なくして治るのを待つ方法が選択されましたが、この写真でわかりますか?結局、後足は切断しました。骨折していた足が壊死してしまい、切断せざるを得なくなったのです。今はまだ糸が付いたまま。腫れや出血などなく、経過は良好です。

実は、ぶーにゃんは保護当初、安楽死が検討されました。
重症を負った子猫で、猫エイズ検査は陽性反応。しかも、骨折の治療には狭い場所での安静が必須。心身共に成長する大切な時期に1ヶ月も動けない環境におかなければいけないのです。足の治療には必要なことですが、その他の身体的、精神的発達には支障をきたす恐れがあります。治療に耐える体力的な面も心配されました。成長後もなんらかの後遺症が残ることも考えられます。里親さんにも選ばれにくく、一生アークで過ごすことになるでしょう。今、骨折の治療がうまくいったとしても、彼女の将来は決して明るいものとは言えず、先のことや最悪の場合も熟慮して、道を選択しなければいけません。

この命の持つ「運」にかける決断をした時点で、ぶーにゃんにとっては命がけの治療が始りました。骨折していた後足が壊死してしまった時も、決断を誤ったかと、彼女を辛い目に合わせてしまったと、後悔の念がよぎりました。それでも、切断して回復の可能性にかける道を選びました。猫エイズは、子猫の場合、母子感染が原因で、後に陰性になることもあり、その可能性にもかけました。
みどりの時は、後足は切断しない道が選択されました。猫エイズなのも一緒です。今はスポンサーキャットとして生活していますが、できれば里親さんをみつけたい子の1頭です。

後足は失ったけど、ぶーにゃんには、他の猫達にない特別なパワーがあるようです。脅威の回復力と人懐こくて愛らしい仕草。他にもたくさん子猫はいるのに、みんなぶーにゃんに惹きつけられます。この特別なパワーで、ハンディキャップなんて乗り越えて、一日も早く里親さんが現れることを私たちは信じています。
| 猫 | 20:04 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑
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| pet-web運営事務局 | 2008/06/06 18:21 | URL | ≫ EDIT