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2008年07月 | ARCHIVE-SELECT | 2008年09月

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「迎えに来るからね」

「迎えに来るから待っててね。」

その言葉を残し、ARKに動物を置いていく人達。
その約束が守られることはないことを私達は知っています。


ボクゼン7_1

昨日はボクゼンくんのリホームでした。
彼がARKに来たのは2年半程前。
野良の子犬にボクゼンと名前をつけ、世話をしていた人がいました。でも、その方の住まいはペット不可。ある日のこと、ボクゼンくんが保健所の罠にかかってしまったのです。世話をしていた方は、保健所から彼を引き取り、自分では飼えないので、遠く広島から大阪の端にあるARKまで連れて来たのでした。


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ARKでは、ボクゼンくんを保護した方と同じ名前で呼んでいました。遠い道のりを何度も会いに来て下さっていて、彼もとても懐いているのは見て明らかでした。だけど、いつの間にか、その方は来られなくなり、「保護主さん、来なくなったね・・・」がスタッフの間で口癖のようになりました。よくあるケースなので、私達はもう諦めていました。しかも、彼は人に対して警戒心が強い子なので、別の里親さんが来られても勧めにくく、リホームは非常に困難で、一生ARKで過ごすことになるだろうということは想像に難くないことでした。


ボクゼン2_1
「迎えに来るから待っててね」

2年半の時を経て、その約束は守られました。ペットを飼える住まいに移り、遠く広島から迎えに来てくださったのです。ボクゼンくんの表情が、どんどん和らいでいきました。空白の時間はあっという間に埋まりました。

(ただ、カメラを向ける私を怖がっているので、あまりいい写真は撮れていませんが・・・。)


ボクゼン4_1

「迎えに来るから待っててね。」

言葉は通じないけど、彼らは心で理解し、信じて待ちます。
できない約束ならしないでほしいと、裏切らないでやってほしいと私は思います。
人には様々な事情があり、「どうしでもうまくいかないこと」もたくさんあります。
やむを得ぬ事情でその子と別れなければならない人を責めるつもりはありません。だけど、置いていかれる動物側にいる私は、どうしても彼らの側に立った考えを持ってしまいます。

訳もわからず、見知らぬ場所に置いていかれた時の不安でいっぱいのあの子達の目。
元の飼主さんが会いに来られた時、再会の喜びに打ち震え、全身で愛を伝えようとするあの子達の体。そして、また去ってしまった後、心を閉ざしてうずくまるあの子達の背中。


ボクゼン5_1

何度か会いに来られる人、それっきり姿を見せない人。
再会の喜びと、帰ってしまった後の寂しさに耐え切れず、体調を崩す子もいます。そういう場合は「会いに来ないであげてください。」と、こちらから理解を求める場合もあります。
もちろん、定期的に会いに来られて、人も動物側もそれを楽しみにしているケースもあります。


ボクゼン6_1
ボクゼンくん、あなたはARKの動物たちの希望です。
あなたみたいなケースがあるなら、私達は未来を信じることができます。
小さな命との約束を守って迎えに来てくださった保護主さん、いえ、ボクゼンのお父さんとお母さんには勇気と希望と変わらぬ愛を身を持って教えられました。



----------------- お知らせ -----------------

ARKで犬のトレーニングをしてくださっている津田先生の愛犬、ドビーくんが急性腎不全により2才の若さでこの世を去りました。ドビー君はARK出身で、津田先生の助手として、ARKの犬の社会化トレーニングに貢献し、多大な功績を残しました。彼の闘病記録は、動物と関わる人すべてにとって役に立つものです。詳しくは下記をご覧ください。
津田先生のブログ グラッセグッド



| リホーム | 21:42 | comments:6 | trackbacks(-) | TOP↑

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8/17GREENDOG里親会☆報告(後編)

8月17日(日)、GREENDOG里親会の報告、続きです。

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「こちらはエコバッグです。あ、ポストカードは1枚100円になります。」
今回のメンバーの中で最年長のビーノ君。売り子もしてくれました。お客さんのお出迎えから売り子まで、よく働いてくれました。

心配していたカケションですが、部屋に入ってすぐウンチをしちゃったのと、1度机に足をあげてしまったものの、(オムツしててよかった!) それからはしたくなったら自らお庭に出て済ませ、またお部屋へ戻るようになりました。なんにも教えてないのに、ちゃんと解るんですね。このイベントの数日前にスタッフ宅で“お泊り保育”した時もオムツなしで大丈夫だったそうです。


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こちらは生後半年で、8年程前にARKからリホームした、ちゃまちゃま君。遊びに来てくれました。

そう、ビーノ君と時期が重なっているので、ブログを見て、兄弟じゃないかって、里親さんが問い合わせをしてくださったんです。兄弟ではなかったけど、同じ頃にリホームしていたちゃま君、やさしいお父さんとお母さんに大切にされてとても幸せそうでした。得意のボール空中キャッチを披露し、みんなで拍手喝采!ちゃま君カッコよかったよ!


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この子はうーちゃん。ARKではパンダと呼ばれていました。
里親さんは4月にこのグリーンドックの里親会に来られたのがきっかけで、後日ARKを訪れ、うーちゃんと運命の出会いを果たしたのです。

部屋へ入って来られた時、私ったらパンダだって気づかなくて、里親さんを見て、「あれ・・・?パンダですか?!」みたいな。。。だって、毛並みも表情もすっかり変わっていたんだもの。リホームするとみんな見違える程穏やかでかわいくなってるんですよ。里親さんの愛情のお陰です。すばらしい!


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うーちゃんは、ホームレスさんに多頭飼育されていた子です。里親さんのおうちに行くまで、室内で人間と暮らしたことはありませんでした。それなのに、たった2ヶ月ちょっとしか経っていないのに、お留守番もお利口にできるし、トイレもペットシーツでできるようになっていました。この日も初めての場所なのに、スーッとペットシーツに行ってオシッコをして、お庭にでてからウンチをしました。ホントにえらい!すごい!成犬でも、老犬でも、今までしつけなんてされたことない子でも、ちゃんとできるようになるんです!


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ちゃま君やうーちゃんの他にも、里親となってくださった方や日頃からARKを応援してくださっている方々が足を運んでくださいました。いつも応援にかけつけてくださるリキ君とお父さんとお母さん、そして、ボス君のママさん、かりんちゃんのパパとママ。ここで出会い里親になってくださったトトロのお父さんとお母さん、能勢のARKで子猫のポポクロミを貰ってくださった足で、ざわざこの会場に寄って私達を驚かせてくださった広島のご家族。他にも私が把握できてないだけで、たくさんの方々が訪れてくださいました。


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こういう場でお会いすると、ARKの為に、人間の身勝手に翻弄されている動物たちの為に、みなさまが心に持っている静かで暖かい情熱をひしひしと感じます。この愛と情熱の輪がもっと広がれば、動物の命が、金儲けの道具にされたり、人の身勝手で軽んじられることのない社会が訪れる日は、夢ではないと思えます!!

おっと、そうそう。
どの子も里親決定まではいきませんでしたが、今後に繋がりそうな出会いがいくつかありました。これからもがんばろう~!


---------------------今日のARK---------------------

朝夕はずいぶん涼しくなりました。昼間の暑さも少しマシでした。
緑のトンネルを犬達と歩くのがとても気持ちよくて、お散歩日和な1日でした。
ボランティアに来られるなら今からがいいですよ~!

連日の酷暑で体調を崩す動物たちが続出しているので、涼しくなるとほっとします。
今度は昼夜の温度差で体調を崩す子が出てこないよう、気を使ってあげなければ!



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8/17GREENDOG里親会☆報告(前編)

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8月17日(日)、神戸のグリーンドッグさんにて、里親会を開催しました。
お盆休み終盤にもかかわらず、たくさんの方がおいでくださいました。様々な形でARKをサポートしてくださっているグリーンドッグさん、いつも本当にありがとうございます。


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猫はオニキス(左)とタケル(右)が参加しました。
最近ちょっとやんちゃになって、大人の猫をからかったりするようになってきたけど、ほんとはヘタレなタケル。イベント会場では最初はビビッて固まるだろうと思っていましたが、最初から活発に動き回り、遊んだり鳴いたりしてリラックスしていました。これなら里親さんのおうちにいってもすぐ馴染めるかな?

おっとりさんでやさしいオニキスは、最初は固まっていたけど、段々反応を示し、お客さんと楽しく遊べるようになっていました。


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たくさんのお客さんに、たくさん遊んでもらえて大満足のふたりでした。途中でお昼寝をして、それからまた遊んでいました。子猫って元気ー。
ふたりの良さ、この日来て下さった皆様に伝わったでしょうか?


・・・え? ぎんちゃん・・・ですか?
今回のイベントの数日前、棚から落ちて肩を骨折してしまい、ただいま入院中です。。。
(ぎんちゃんのこの運のなさ・・・ もう~、おバカ!折角のチャンスだったのにっ)
ぎんちゃんに会うのを楽しみにしてくださっていた方はコチラの動画でお楽しみください。


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こちらはモモちゃん。
この日のモモちゃんはかなり頼もしかったです。お客さんがいっぱいいても、子供さんがいても、とても楽しそうに、自由に室内を歩き回っていました。おいしいジャーキーを知らない人から貰って食べられるようになり、しまいには普段でも残しちゃったりするドッグフードも、子供さんの手から盛々と食べているではありませんか!

モモちゃん、どうしちゃったの?! なんか、ふっきれた?! 
初めての場所で、知らない人いっぱいに囲まれて、こんなに楽しそうでリラックスしているモモちゃんを見ていると、安心して里親さんに出せるって思えました。4姉妹の中で一番気が弱くて怖がりだったあのモモちゃんが、いつの間にこんなに自分に自信を持てるようになれたんだろう。あなたがのびのびと楽しそうにしている姿を見ているだけで、嬉しくて泣きそうでしたよ。
いやいや、嬉し泣きは里親さんとARKを旅立つ時までとっておかないとね!


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そこにいるのはサクラですね?
現地に到着し、外をお散歩したり、準備の間うろちょろしている時は、不安まじりではあるけど、尻尾も上がって楽しそうにしていたサクラ。「お、なかなかいい感じ・・・」なんて安心しかけたのもつかの間、お客さんが来だすと、すっかり気配を消してしまいました。部屋の隅に固まり、一日中ずっと壁とお友達になって息を潜めていました。


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ずっと固まっていたサクラをお客さんも気にかけてやさしく見守ってくださっていました。モモもビーノも時々サクラの様子を見に行っていました。サクラ自身も匂いや音や空気で、こっそり自分なりに会場の様子を観察をしていました。「できるだけサクラのペースで・・・」って思って、そっとしておいたのですが、何かきっかけを作ってあげたらきっともう少し変化が見られただろうなって、ちょっと気遣いが足りなかった事を後から反省しました。ごめんね、サクラ。。。


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ARKの犬舎ではフェンス越しにお客さんに吠えてしまうサクラ。でも、ARKで吠えてばかりの子がリホームしたら「声を聞いたことがない」なんて言われるのはよくある話なのです。小さいときから社会化のトレーニングをしているし、どのスタッフのおうちでもすぐに懐いてリラックスできる子なのに、本当のサクラの良さを見てもらいにくいのが難点です。


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子供さん連れのご家族に囲まれて、大満足な表情を見せるのは、オムツマン、ビーノ君。
「オスワリ」、「オテ」、「オカワリ」、「フセ」、「マテ」・・・できること全部披露し、みんなにおやつをおねだりし、立派にウェルカムボーイを勤め上げたビーノ君でした。


まだまだ報告したいことはたくさんあります。
長くなりそうなので、後編へ続くとしましょう。。。

その前に、お客さんがいないときのサクラの様子を動画でどうぞ。
サクラは左の子。お相手はモモちゃん(右)です。こんな感じで遊んでいました。
(雑音、人の声などの音あり)





| 動画 | 08:58 | comments:1 | trackbacks(-) | TOP↑

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里親会のお知らせ

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こんにちは!ビーノです。
みなさんの暑い・・・もとい、熱い声援を励みに、アークで楽しく暮らしています。お友達もいっぱいできました。
今週末、8月17日(日)のグリーンドッグ里親会に、ボクも参加することにしました。お盆なので、人出は少ないかもしれないけど、涼しい室内で過ごせるし、おでかけは楽しみです。
あ、K.Kさん。ボク、きっとテンションあがっちゃってカケションしちゃうと思うので、オムツ準備しといてくださいね。

暑い毎日ですが、ボクもアークでがんばっていますので、みなさんもくれぐれもご自愛くださいマセ!マセ!


詳しくはコチラ

それでは、みなさん、グリーンドッグでお会いしましょう~!


※動物の体調やその他の事情により、参加する動物は急遽変更になる場合があります。ご了承ください。

| 広報・イベント | 08:44 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

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うめちゃん☆リホーム!

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昨日は、待ちに待ったうめちゃんのリホーム日!
里親さんがお迎えに来てくれた日でした。


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みんなでお見送り。
こんなにたくさんの、喜びに興奮している状態の人間達に囲まれて、いつもと違う雰囲気の中、全く物怖じすることなく、うめちゃんは堂々としていて、本当に嬉しそうで、誇らしげでした。
スタッフみんな、幸せな気持ちでいっぱいです。


ウメ18_1
うめちゃん、元気でね。幸せになってね。
お母さんを困らせること、しちゃだめだよ。


4姉妹の中で一番にリホームしたきくちゃんも、里親さんから幸せのお便りが届いています。
さぁ、さくらもももがんばらなくちゃ!
さくらは、スタッフの一人が自宅に連れて帰って家庭で暮らすトレーニングや社会見学に連れて行ったりと、リホームに向けてがんばっています。
ももは、犬付き合いがとても上手になったし、人との距離もさらに縮まって、あとは赤い糸を待つばかりです。



過去のうめちゃん関連記事
フォスター制度 (どの子が誰かわかるかな?!)
野生の血
うめ預かり日記
うめ 預かり日記(2)
フィールドノート里親会☆報告

| リホーム | 07:52 | comments:3 | trackbacks(-) | TOP↑

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ラリーにもチャンスはあるのか?!

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便秘がネックでリホームしにくかったゼロスにも、里親さんに愛される暮らしが待っていました。しかも、仲良しオトちゃんとふたりで!里親さんは2匹をとても大切にしてくださっていて、獣医さんにも相談しながらゼロスのお腹を気遣ってくれています。

これは、もしや、ラリーにも希望の光が・・・?!


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ラリーがアークに来たのは9年ほど前。入所の詳しい理由は調べてみてもわかりませんでしたが、当時の写真はまだ子猫でした。「お~、ラリーにもこんなにかわいい時期があったんやなぁ…」と、なんだかしみじみ。。。


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私がアークに勤め始めた4年ほど前。ラリーは重度の便秘で苦しんでいました。骨盤の肛門付近が狭いのが原因だそうです。先輩方にお腹のマッサージの仕方や、排便の促し方を教えてもらってもうまくできず、便が溜まっているかどうかすらわからず、自分のできの悪さと、ラリーに申し訳ない気持ちで、落ち込んでばかりいました。


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ラリーがいくらがんばって気張っても出ないことも度々で、浣腸して強制的に出さないといけないこともよくありました。だけど、最近はほぼ毎日、なんの苦労もなく快便が続いています。2、3日に1回しかでないような猫もざらにいる中、ラリーのここ最近の快便な日々は快挙です。本人もきっと楽ですよね。


ラリー5_1

便秘解消の為に、ラリーは毎日流動パラフィンを飲んでいます。流動パラフィンは、食品添加物としても使われるもので、医療分野では潤滑油として利用されており、排便をよくするためにも利用されています。嫌がらずに上手に飲んでくれるので誰にでもできます。これなら里親さんでも簡単にできるし、負担にならないでしょう。流動パラフィンが主成分のサプリもあるし、もっと自然な方法に切り替えたりして、止められる可能性もあります。


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以前のラリーの状態だと、リホームなんて夢のまた夢と諦めていましたが、今のラリーなら幸せを掴めるかもしれないと思えるようになってきました。

性格はとってもいい子で、穏やかで甘えん坊、人と遊ぶのも大好き。それでいてベタベタし過ぎない子です。どんなに嫌なことをされても(浣腸とか…)決して攻撃性は見せない、我慢強くてイジラシイ子です。こういう柄の子って、里親さんに人気が薄い傾向があるのですが、飼いやすさと性格の良さをしっかりアピールして、家庭で安穏として暮らす生活を彼女にも味わって欲しいです。



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