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あれ?アトミ、車に乗ってどこ行くの?

なんと!今日はアトミを里親さん宅へお届けに行ってきたのでした!

もう2年以上もARKで過ごしてしまったアトミ。ARKでの毎日は、決してQOLを保っているとは言いがたいものでした。フェンスを舐めて亜鉛中毒になったことがあるため、ベニヤ板とアクリル板が張り巡らされた犬舎で暮らし、前を通る犬に吠え、ベニヤ板で見えないから立ち上がってフェンスに体当たりし、ヒーヒー鳴いて興奮する日々。誰にでも飼い易い犬ではないし、実は、リホームを諦めかけていたのでした。だから、アトミを乗せて里親さん宅へ向かうことができるなんて、本当に嬉しかったです。ARKでは解決できないストレスからアトミを救ってくださった里親さんには心から感謝しています。帰りの車中、ひとりなのが、なんとなく、寂しかったのでした。


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様々な事情でARKにたどり着いた動物たち。私は、ARKは彼らにとって、「終着点」ではなく、「通過点」であって欲しいと思っています。一生を終える場所ではなく、もう一度幸せを掴んで、旅立って欲しいのです。

保健所に持ち込まれていたら、とっくにガス室で窒息死していた命たち。私たちは、このかけがえのない命を、まだ見ぬ里親さんがいつか迎えに来てくれる日まで、お預かりしている気持ちでお世話させていただいています。


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保護した動物、飼っていた動物をARKに置いていく方々が、これで解決したかのような、安堵の言葉を口にされることがあります。だけど、その子にとっては、これが試練の始まりです。愛する特別な人を失って、犬や猫であふれかえる環境で、いろんな鳴き声や見知らぬ訪問者の目にさらされ、その環境に慣れるには時間も体力も精神力も必要となり、相当なストレスとの戦いが始まるのです。馴染めずに体調を崩す子は稀ではありません。


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だからこそ、飼ったからには最後まで責任を持って欲しいと思うし、動物を飼う前には、命を預かることについて、慎重に先々のことまで考えてからにして欲しいと思います。

うまく行かないこととか、辛いことの方が多い毎日だけど、幸せを掴んでARKを旅立っていく子がいるから、がんばれます。みんな、みんな、幸せになろうね。里親となってくださった方々にも心から感謝申し上げます。


ノワもリホーム決定!里親さん宅の準備ができるまで、大切にお預かりしなければ♪
ぶーにゃんにも里親さんが見つかりましたよ~☆☆

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| リホーム | 23:31 | comments:3 | trackbacks(-) | TOP↑

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ジローが失ったもの

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子犬の頃にアークへ保護されもう7年。従順で人間が大好きなジローちゃんがどうして今までリホームできなかったのかというと、それは、「怖がりさん」だから。知らない人にも甘えられるのは犬舎の中だけ。お散歩も慣れたスタッフとじゃないと行けません。散歩中、ハイカーさんなどの知らない人と行き違うだけで、もう怖くて前へ進めなくなってしまいます。怖い対象なんて何もないときに急にへたり込んで歩かなくなることも。


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ある日の夕方のこと、それは突然のことでした。ジローちゃんの目に異変が現れました。左目が目やにで塞がり、腫れていました。昼間はなんともなかったはずなのに。最初は目に異物が入ったか、傷か何かが原因で結膜炎になったんだろうと思いました。

診察の結果は、緑内障でした。


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緑内障は、重症だと痛みも伴うそうで、元気がなく沈んだ様子のジローちゃんを見ているのはとても辛かったです。目を引っ掻くといけないのでエリザベスカラーは外せず、狭いケージの中で安静にする日々。どれくらい辛いのかとか、痛いのかとか、こちらは想像するよりほかなく、ただ見守ることしかできませんでした。


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お薬を飲んで点眼を続けても、眼圧が一向に下がらないため、眼球を摘出することが検討されました。眼球を摘出をしてしまえば、原因が取り除けるので、点眼やお薬を飲み続けたり、通院を続ける必要もなくなります。

それでも、手術を終え、退院してきたじろーちゃんの顔を見たときは正直ショックでした。左目の周りの毛は刈られて、腫れた瞼は糸で閉じられていました。わかっていたことだけど、これから順調に回復するのか、ちゃんと生活していけるのか不安もよぎりました。でも、そんなのは取り越し苦労となりました。


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犬ってすごいです。片目の視力を失うくらい、大したことないんですね。だって、ジローちゃんたら、両目が見えていた頃と変わらず、狭い林の中だって、猛ダッシュで駆け抜けていくんです。見ているこっちがハラハラしちゃう。特に不自由を感じているようには見えず、慣れてしまえばどうってことないみたいです。

今は残された右目が緑内障にならないよう、予防の為の目薬を続けているのみです。
最初の頃は嫌いだった目薬。目をぎゅっとつむって体を捩じらせて拒んでいました。今では名前をよべば目の前にお座りして大人しく点眼させてくれるようになりました。そのあと褒められたりおやつをもらえるのが嬉しいのかな?


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緑内障だとわかって、眼球の摘出をする話が出た時は、ジローちゃんの一生に不安を感じ、予測のつかない未来に担当スタッフみんな落ち込んだけど、片目を失っても、ジローちゃんはジローちゃんのままでした。あいかわらず甘えん坊で、食いしん坊で、時々空気が読めなくて、時々ノワに怒られて、やっぱり外の世界が怖くって・・・。

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私たちはこんなジローちゃんに里親さんを見つけ、幸せになって欲しいと思っています。
スタッフの一人が自宅や実家に度々連れて帰り、ARKしか知らなかった怖がりのジローちゃんの社会化訓練をしています。車にも慣れました。室内では排泄しません。甘えん坊さんで、ベッドの上が大好きで、おもちゃで遊ぶのが大好きなジローちゃん。怖がりさんなことを理解してもらえるなら、室内飼育向きの良きパートナーとなること間違いなしです!


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社会見学

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最近スタッフみんなでがんばっていることのひとつに、犬の社会化トレーニングがあります。様々な事情でアークにたどり着いたこの子達には、家庭犬となるには欠如した部分もあります。そのほとんどは経験不足が原因なので、里親さんに貰われやすい子にするためにいろんな経験をさせるのです。そのうちのひとつに、私たちが「社会見学」と呼んでいることがあります。


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これは、聴導犬協会の代表有馬さんよりご指導いただいた方法を参考にしているやり方で、人や車通りの多い場所へ連れて行き、1箇所へじっと座って、観察させるというものです。その間、ずっとおやつをあげ、声をかけて励まし続けます。いつもは食べることのないチーズやサラミとか、この時ばかりは人間の食べ物で、味の濃くて、とんでもなくおいしいものをあげます。そうして人や車、街や騒音などに慣れさせるのが目的です。アークの生活では、車に乗ることはまずなく、車酔いを克服する練習にもなります。車酔いするかどうか、気にされる里親さんも多く、リホームの際の貴重な情報のひとつにもなります。


私は残念ながらいつもお留守番組。ビデオやお土産話で様子を知るだけです。なので、社会見学中の写真がありませんが、情報をお伝えします。


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チャー
アークでは犬舎の外を通る犬や知らない人に吠えて印象の悪いチャー。本当はとても寂しがりの甘えたさんです。以前もこちらで紹介しました。スタッフ宅でのお泊り体験では、室内では大人しく静かにしていて、排泄を我慢し、お留守番もお利口さんにできました。車に乗ることにも慣れました。社会見学では、物怖じすることなく、街中の散歩もリラックスしていて、タウンウォッチング中もモリモリとおやつを食べていたそうです。


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トレジャー
怖がりで知らない人が犬舎を覗くと小屋の中に隠れて気配すら消しちゃうトレジャー。お散歩が大好きで食いしん坊さんなので、それをきっかけにボランティアさんとも仲良くなってもらっています。初めての社会見学では、おやつは食べられなかったけど、大人しく落ち着いて座っていられたそうです。と、思いきや、帰ろうとすると立ち上がれなかったとか。腰が抜けてたみたいでした。車にも酔ってしまいました。そんなトレジャーですが、2回目ではおやつを食べることができ、車酔いもほとんどしませんでした。元々は街中にあるお寺の隅で出産しているのを保護された子なので、リホームしてもきっと時間と共に慣れてくれることでしょう。


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モッチ
子犬の頃からずっとアークで過ごしてきたモッチは外の世界を知りません。アークでは他の犬とも仲良くできるし、初めて会ったボランティアさんとも楽しそうにお散歩できるのに、いざ里親さんに紹介すると全くのダメ子ちゃんになってしまい、なかなかリホームに繋がりません。車に乗ったのも保護された時と不妊手術の為に病院に行った時だけ。そんなモッチの社会見学は、車の中では落ち着きなくヒャーヒャー鳴いて、街中でもヒャーヒャー鳴いて、尻尾は下がりっぱなし、食いしん坊のモッチがチーズもサラミも何にも食べられず。。。だけど、回数を重ねるごとに行動に変化が現れ、今では街中にも慣れ、おやつも食べられるし、車の中では落ち着いていられるようになりました。


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サクラ
シャンプー中の写真で失礼します。小柄で抱っこサイズ、アッケラカンとしてて人見知りなんて言葉とは無縁に見えるサクラですが、里親希望者さんに紹介すると意外とヘタレな子で、肝心な時に吠えてしまったりして損しちゃうタイプです。アークではフレンドリーでも環境が変わると怖がりになっちゃうタイプなのかも・・・?ってことで社会見学に行きました。けど、心配は取り越し苦労で、リラックスしておやつもモリモリ食べ、遠足気分を満喫してきたそうです。こんなことも連れて行ってみないとわからないし、彼女にとってもいい経験になったと思います。


一日も早く、一頭でも多く、幸せを掴んで欲しいので、苦手をできるだけ克服させられるよう、スタッフみんなでこれからもがんばります!!




| | 19:44 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

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ぶーにゃんとあそぼ

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ぶーにゃぁ~ん、あそぼうよぉ♪

「そういう気分ちゃうねんけど、しゃーないな、ここはノッたろかぁ。」



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「お、このやろ!なかなかやるやんかっ」



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「ぉわっっっ・・・!!」



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ほれ、ほれ。どうした?
うぃやつよのう~。こねこちゃん。

「・・・くやしぃ。大人になったら必ず仕返ししてやるから・・・。」



後足を切断したばかりとは思えないほど、すばしっこいぶーにゃん。
活発でやんちゃでとっても元気に動き回りすぎて、治療に支障がでるんじゃないかとか、あとでしんどくなったらどうしようとか、心配になっちゃいます。。。でも、かわいいからついついちょっかいかけたくなっちゃうんです~♪


| | 20:42 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

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3本足のぶーにゃん

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最近のアークは、空前の子猫ラッシュ。アーククリニックはまるで子猫屋敷です。本来の医療業務に手が回らない日々が続いています。

毎年この時期は子猫の引き取り相談が相次ぎます。しかし、すべてを引き取ることは不可能で、相談者にはアドバイスをさせていただき、個々に対応してもらわざるを得ない状況が続いています。その中でも、一番困るのは、『餌をやっていたら居ついて子猫を生んだ。かわいそうだから助けて欲しい。』といったようなケース。本当にその猫達を何とかしたいなら、地域猫として近隣の方達と協力しあい面倒をみるか、自分の飼い猫として家の中で世話をすべきです。もちろん不妊手術をして。そこまで責任を持てないなら餌をあげてはいけません。不妊手術もしないでただ餌をやるだけ。それは不幸な命を増やすだけで偽善です。


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多数の相談の中で、どうしても引き取らざるを得ないケースも出てくるわけですが、そのうちの1頭がぶーにゃんです。ぶーにゃんはテニスコートでネットに絡まっているところを保護されました。一命は取り留めたものの、後足は骨折していました。



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成長期の子猫なので、ギプスなどで固定せず、狭い場所でできるだけ動きを少なくして治るのを待つ方法が選択されましたが、この写真でわかりますか?結局、後足は切断しました。骨折していた足が壊死してしまい、切断せざるを得なくなったのです。今はまだ糸が付いたまま。腫れや出血などなく、経過は良好です。


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実は、ぶーにゃんは保護当初、安楽死が検討されました。
重症を負った子猫で、猫エイズ検査は陽性反応。しかも、骨折の治療には狭い場所での安静が必須。心身共に成長する大切な時期に1ヶ月も動けない環境におかなければいけないのです。足の治療には必要なことですが、その他の身体的、精神的発達には支障をきたす恐れがあります。治療に耐える体力的な面も心配されました。成長後もなんらかの後遺症が残ることも考えられます。里親さんにも選ばれにくく、一生アークで過ごすことになるでしょう。今、骨折の治療がうまくいったとしても、彼女の将来は決して明るいものとは言えず、先のことや最悪の場合も熟慮して、道を選択しなければいけません。


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この命の持つ「運」にかける決断をした時点で、ぶーにゃんにとっては命がけの治療が始りました。骨折していた後足が壊死してしまった時も、決断を誤ったかと、彼女を辛い目に合わせてしまったと、後悔の念がよぎりました。それでも、切断して回復の可能性にかける道を選びました。猫エイズは、子猫の場合、母子感染が原因で、後に陰性になることもあり、その可能性にもかけました。

みどりの時は、後足は切断しない道が選択されました。猫エイズなのも一緒です。今はスポンサーキャットとして生活していますが、できれば里親さんをみつけたい子の1頭です。


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後足は失ったけど、ぶーにゃんには、他の猫達にない特別なパワーがあるようです。脅威の回復力と人懐こくて愛らしい仕草。他にもたくさん子猫はいるのに、みんなぶーにゃんに惹きつけられます。この特別なパワーで、ハンディキャップなんて乗り越えて、一日も早く里親さんが現れることを私たちは信じています。



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